これからの相場を読む「中期はドル高、長期は円高」
財務省出身で、今でも通貨マフィアとの固い絆を保っている人が、「円の目標レンジ95円から85円」と話していると、昨年秋に聞きました。
これは短期予想でも役に立つ発言ですが、それ以上に長期見通しを考える上で、貴重な情報です。この発言から、「このような目標レンジを作り、それを維持しなければならない要因がある」と知ることができるからです。
これは中長期見通しで大変重要なものです。その点で、このようなインナーサークルの情報は価値があります。そして、どのようにインテリジェンスを働かすかが次のポイントになります。
政府や中央銀行などの通貨当局の基本的な姿勢は、「経済合理性に基づいた相場の安定」です。この言葉を私はあえて、「各国間で経済社会のひずみがあれば、為替相場で調整が起こってもやむなし」と理解しています。
バブル清算に手間どり、いつまでも不況感を払しょくできない日本の実力と比較して、世界の投資家は円相場の適正相場をいくらと判断しているのでしょうか。
米国の強さの継続と合わせて、当面ドルは強いと考えます。ただし五~六年先は、どうでしようか。1990年代の米国のボトムからの成長が、2000年代の日本を予見していると信じています。
今のところ、米国、ユーロの景気回復の遅れから円が買われていますが、世界第二、三の経済力を持つ日本の円は、世界最強の通貨の一つになると確かな手応えを感じます。
世界のFX事情「規制編」
米国でも日本同様、株式、FX、CFD、コモディティーにレバレッジ規制がはいっている。米国の当局は、個人投資家が多大なレバレッジを扱えるのかどうか懸念しているが、これまでのところ措置は限定的だ。 8月30日には、為替取引を行う個人投資家が借りられる金額の制限を強化する案で、米商品先物取引委員会(CFTC)が譲歩した。現在は1ドルの投資に対し100ドル借りられる。これを10ドルに引き下げようとしたが、ブローカーや個人投資家からの一連の抗議を受け、50ドルに決まった。これは、大手ブローカーの多くが現在認めているのと同額だ。